上野村の手仕事とは

山深き谷間に息づく、職人たちの物語

群馬の南西部、山々に抱かれた小さな谷間に、「上野村」という名の村があります。時の流れに洗われながらも変わらぬ美しさを保つこの地で、多彩な職人たちが今日もまた、手仕事に魂を込めています。

村を見守るように佇む樹齢300年のトネリコやモクレンの古木たち。四季折々に表情を変える豊かな落葉樹林は、ここで暮らす職人たちの心に静かに語りかけ、創作への無限のインスピレーションを与え続けています。

木を慈しむ木工作家、糸に命を吹き込む織物作家たち。この村の職人たちは、先祖から受け継がれた古の技に時代の息吹を織り交ぜ、世界にただ一つの個性豊かな美しい作品を生み出し続けています。

こちらでご紹介するのは、そんな職人たちの工房のほんの一握り。けれど、その一つひとつに込められた想いと技の深さを、ぜひ作品の向こう側に感じ取っていただければと思います。上野村で紡がれる職人たちの物語に、そっと耳を傾けてみてください。

How it all began

上野村とは

群馬県多野郡上野村

隠れ里の扉を開いて

日本の奥深くに、まるで時が忘れ去ったかのような場所があります。群馬の最南西部、山々の向こうに静かに息づく秘境「上野村」。人口わずか1200人に満たないこの小さな村は、その95%を深い森に包まれ、まさに自然の懐に抱かれた隠れ里のような存在です。

春には新緑が谷を染め上げ、夏には深い緑陰が涼を運び、秋には紅葉が山肌を黄金に彩り、冬には雪化粧が静寂を深める。季節ごとに表情を変える美しい風景の中で、野生動物たちもまた、この地の一部として生きています。

村の心臓部を静かに流れる神流川。この清らかな流れを見つめながら、村の人々は代々、自然との穏やかな対話を重ねてきました。「自然とともに暮らす」という言葉が、ここでは単なる理想ではなく、日々の営みそのものなのです。

少しシャイで、でもどこか温かみのあるユニークな村人たちが紡ぎ出す手仕事には、この土地の風や水、そして時の流れが静かに宿っています。

その手仕事に触れ、心を動かされたなら、いつの日かぜひ、この隠れ里の扉を実際に叩いてみてください。上野村があなたを、きっと優しく迎えてくれることでしょう。

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